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SD-WANのはてな |
はじめに
ここ数年で企業のネットワークについて考える時、SD-WANという言葉を頻繁に見かけるようになりました。
SD-WANと似た言葉でSDNというものもありましたが、SD-WANと何が違うのでしょうか。
SD-WANは「Software Defined WAN(Wide Area Network)」の略語で訳すと「ソフトウェアで定義したWAN(回線)」、SDNは「Software Defined Network」の略語で訳すと「ソフトウェアで定義したネットワーク」、主にLANの部分に用いられました。
両方に共通しているのは、①仮想化技術を用いて一元管理を実現している②データ転送と経路制御という2つの機能を分離した、という2点です。
どちらもデータのトラフィックコントロールを目的にしていますが、SDNは「OpenFlow」と呼ばれる技術を用いLAN内のNW機器を状況に応じて自律的に制御することに主眼が置かれ、SD-WANはWANのトラフィック状態を監視し、状況に応じて自律的にWAN回線を制御することに主眼が置かれています。(下図参照)
SDNやSD-WANを構成する方式として、「ホップバイホップ方式」と「オーバーレイ方式」という2つの方式があります。
「ホップバイホップ方式」は、経路上の機器全て(機器Aから機器Fまでの6台)に対しルート設定を投入し経路を作成する方式で、「オーバーレイ方式」は、対象となる機器(機器Bと機器E)にトンネル設定を投入し、経路を作成する方式です。
どちらも専用のコントローラが経路の制御を実施します。
コントローラは経路制御だけでなく、トラフィック監視や障害監視等、様々な役割を担ってます。
最近では「SD-WAN 2.0」と言われるものも登場してきました。
「SD-WAN」とは何かを紐解き、「SD-WAN 2.0」についても考察します。